見たまま 感じたまま 

好奇心旺盛な私

えんとつ町のプペル

すごい映画だった。私は何の予備知識もなく見に行ったが、すごく感動した。

この映画は友情、親子の愛情等がテーマとなっているので、その関係が希薄な

方にはもしかしたら心に響かないかも知れない。

私は弁護士をしているが、父も弁護士で、しかも母子家庭で育った叩き上げの人間だったので、厳格な人だった。正直弁護士になるまでは苦手な存在だった。けど今思い返してみると、その時々で伝えたいことを自分の言葉で話していたなと思う。

この映画を見ると、その父の言葉がよみがえってきて泣けた。

進学校に進んだ私は高校時代、成績は低迷して中くらいだった。父は三人兄弟の長男として生まれ、一家の家計を救うために工業高校へ行き、高卒で就職することが期待されていた。ところが、勉強への強い思いがあった父は工業高校から普通科編入し、そこでの成績もトップ3には入っていたらしい。自分よりも成績が悪い仲間が東大や京大、早稲田や慶応に進学したが、父は大学進学する資金がなく、泣く泣く大阪市役所で5年働いて、実家に仕送りしながら、お金をためて地元の国立大学へ入学した。

父がよく言っていたのは「勉強だけできるなんて、幸せなことじゃあないか・・」。当時はその言葉の意味が全く分からず、何を言っているのだろうとむしろ反発していた。

大人になって父のことを知るにつれ、何不自由ない環境で勉強ができるのに、遊び呆けていた私に対するコメントだったんだな・・・と分かった。

この映画でもブルーノ(父)がルビッチ(息子:主人公)に色々語りかけるシーンが

この映画のテーマの一つだ。

この映画には色々な批判(宗教じゃないかとか、西野さんが嫌いとか)もあるらしいが、予備知識なく、まっさらな気持ちで見て欲しいと思う。

作品はそれ自体で楽しむものだというのが私の考え。