弁護士の定年
「弁護士は定年がなくていいですね。一生やっていけますね。」とよく言われます。
若いころはそれほど気にも留めていなかったので「まあ、そうですね。ハハハ。」と生返事をしていました。
しかし、既に57歳。
最近びっくりしたのですが、日弁連会長とか、最高裁判事とかも期でいえば私と10期(10年)も違わない。「えっ、私ってそんな年になったの。」
高校の同級生も金融関係の友人は、出向している人が大半であるし、公務員、会社員の方も60歳で定年で、それから嘱託とか再雇用とかになるらしい。
あと3年しかないじゃん。
わが身を振り返ってとてもとても引退ができる環境にはない。
最近70歳で弁護士を辞める方の「弁護士引退日記」というブログがあって、それをよく見ています。色々なことを考えさせられます。
弁護士には定年がないのではなくて、辞めようにも辞めれなくて引退できないというのが実情でしょう。
おそらく弁護士も63歳くらいで引退したら、裁判官と検事と同程度の(いや8割程度でも)退職金と年金を払いますよという制度ができたら、相当数が引退するでしょう(その一番の原因は弁護士は非常にストレスが多い(経営面も含め)仕事だからです。)
弁護士は国民年金なので、年金といっても知れています。
弁護士会の年金に加入している方は上乗せがありますが、加入していない方も相当数います。
私も検事を3年していましたが、当時はまだバブルの香りがした時代で、検事に任官する方は非常に少なく、30人~50人くらいで、検察教官も採用に必死でした・・
検事時代は弁護士が非常にお金持ちにみえました(私選弁護1件の着手金だけで、1か月の私の手取額よりはあったように思います)。
現在検事は人気で、任官するのは非常に難しいようです。
あれから約25年・・
妻は私が検事を続けていれば、老後は安泰だった・・と呟いていますが・・
ただ、弁護士は自分で仕事を選択できる数少ない職業です。
依頼者から涙を流してお礼を言われた時の感動は格別です。
今、法律改正ラッシュで、これはある意味、弁護士にとってチャンスです。
世の中をよくして、みんなが笑いあえる社会にしたい、そのお力になりたいという
気持ちで、これからも頑張っていきます。